BOOK
オヤジ達よバーへ行こう1
この文章はフィクションのような
実話であり 個人情報保護を
されないこともあります
店内で そそう があると
題材になるのはやむおえません
オヤジ達よバーへ行こう
若い人たちを、ゆとり世代だの、何を考えているかわからんだの、
飲まない男が増えているだの・・・
では熟年のオヤジ達よ
若手をバーに連れて行ったかぁ?
奢ってあげるのはせいぜい安い居酒屋ていどで、本物のバーへ連れて行ってあげたオヤジ達はどれくらいいるんだ?
「俺はバーなんか知ったところないからなぁ」
とか
「バーって緊張して飲まなあかんやろ?」
とか
そんな事言ってないでしょうね?
心当たりがあるオヤジ達がいたら、今の若者たちの せい ばかりには出来ないですよ。
「俺は行きつけのバーあるで」
と豪語されているオヤジ諸氏も、まさか居酒屋のように、大声で我が物顔で騒ぎ、あげくのはてには大音量の携帯電話が鳴ったりするのではないだろうな まさか。
もう何年も前のことになるが、"学生よバーへ行こう"というバーの紹介本を、三宮の駅下の本屋で見かけたことがある。
神戸大学生が学生のために、バーでのマナーに充分な配慮を示した内容でたくさんのバーを紹介している。
制作者のひとりに話を聞いたことがあるが
「お前らの来るところやないっ!」
とかで 追い返されたこともあったという。
どこの店や? そんなアホ店主の店は
「あんたら大人もな、初めはお酒に素人やったはずや。なのにちょっとお酒の事わかってるくらいで 偉そうに振る舞い、あげくに学生たちの話も聞かん? アホか!」
「マナーなんか 行った所の店の人が教えたらええやんか」
とか言っているオヤジはおそらくマナーとは無縁で 自分さえよければ それでよい そんな人種。
確かに、バーとパブはなかなか区別がつかないこともありうる。
何故かというと、元々パブリックハウス パブがバーの原点だということが
ほぼ間違いないからである
しかし今日この時代 多種多様化してしまい、様々な店が生まれ
バーと認識されるには「オーセンティックな」と 書き表されることもしばしば。
では「オーセンティック」とは なんぞや?
直訳では、「本物の」とか「確実な」だが、前述のように多様化の今では「オーセンティックだけがバーじゃねえよ!」と、
多くの店主からブーイングを受けるであろう。
つまり、書物やチラシ、インターネットで謳われる事柄、呼び方より感性の問題である
初めて入ったバーが、静かなジャズがゆっくり流れていたら、さっきまで大声で話していた「居酒屋のトーン」を下げるべきで、緩やかに語るべきだろう。
嫌なら出ればよいだけのことである。
マナーは言い換えれば「当たり前のこと」なのに、厄介なのは、人それぞれ 「当たり前」が異なる。
だからバーはバーのルールを適用する。
おおげさに言うと、バーのカウンターでは、前を向いて飲み、前を向いて話すらしい。
が 私はここまでは思わない。
もちろん、後から入ってきた見知らぬ人に、いきなり話しかけて、話ずくめというのは野暮なことである。
ファーストドリンクも届き、落ち着いたところで お店の人を挟んで、緩やかに知り合いになっていくのもバーのいいところなので。
不思議なものだ。
一人になりたくてバーに来たのに
一人同志が仲間になっていく。
忘れてはいけない。
共通の友人や趣味があったとしても、大盛り上がりは禁物。
紳士的にね。バーなんだから。
おばさん達は「女子会」とかで方々様々に出向き、ランチにて店を発掘する本能に猛っている。
気に入った店があると「ここの店、夜は何時からですかぁ?」
そして本来オヤジの領域であった「夜」 にも、ガンガン進出する。
たくましく、大人数で ・・会で。
そしてオヤジ達は静かでよい雰囲気だった店をどんどん、蝕まれ、場末やチェーン店の居酒屋へ追いやられる。
浴びるように飲むしかない。おばはんの文句を言う。騒ぐ。
スッキリする。
紳士度のかけらもなくなる。
すこしオヤジにフォローをいれておくが
バーが嫌いなオヤジ達の気持も少しは判るところもある、実は私もバーをやっているが
【チャージ】とは何ぞや?
個室などを持ち合わせていて、室料などの名目ならまだ分からなくもない。チャージの意味がいまひとつ判らない。
なのでチャージはいただいたことがない。
ひと昔前に若いバーテンダーに質問したことがある。
「チャージって何?」
バーテンダーは
「お客さんが椅子などを占領してるからじゃないですかぁ?」
いやいや、椅子はお客様のために用意してるのが当たり前ちゃうかぁ?
また別の店では
「付き出しだしてるんで、それでしょうね」
見れば、ナッツとかチョコレートが小さな入れ物に入ってあっちにもこっちにも出ている。
では今日用意した「付き出し」は、様々なカクテルをはじめ、すべてのお酒に合うんやなあ?
アホらしい答えに溜息が出る。
要はオヤジ達は予想外のお会計伝票を見ると
「なんじゃこれっ!?」と、まず思う。
少し酒がさめる。
280円均一に戻る。財布気にしないで飲める。
このパターンはきっとあると思うので、オヤジの気持が分らんでもない。
日本のデフレが続くことにもなる。
バーの素敵な雰囲気と技術力で、その上でちゃんとした分かりやすい対価にてお客様と接するべきである。
つづく…