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オヤジ達よバーへ行こう3
オヤジBの場合 Bz(ビーズ)のファンだぁ?
サザンオールスターズのファンだと以前聞いたことがあった五十歳になったそのオヤジは 「愛すべき酔っ払いオヤジ」の象徴的中心人物である。
彼の会社は毎年 昭和の響きが残る「社員バス旅行」たるものが今もなお年に一度あるそうな。
ある年のこと バス発車前から缶ビールを「プシュッ!」
すでに飲りはじめたそのオヤジ。本来、社員旅行のメインイベントは夜の宴会。
旨い酒、肴を前にして
「御苦労さん!がんばりましょう!カンパーイ!」
のイメージが強い
話下手な上司の 「はなはだ簡単」 ではない話があったとしても一番盛り上がる場面である。
が、そのオヤジ発車前から目的地に着くまでだけでは物足らず、ひと時も缶ビールを絶やさなかったそうな。
で、宴会開始時には すでに「粗大ゴミ」状態だったらしい。
宴会終了まで起きなかったんだって。
その後、両脇を若手に抱えられバレリーナのような姿で二次会場へ・・?二次会場?部屋じゃないのかよ?
普通なら自分の部屋に連れて行かれて ハイ サイナラ ちがう?
同僚、若手は彼が無類の歌好きなのを熟知していたのだそうだ。
「音楽鳴ったら起きる頃やし」と、誰もが思っていたのだろう。
が、しかし その予想は見事に外れ、オヤジは二次会場でも「粗大ゴミ化」していた。
カラオケ二次会宴もたけなわ
「さあ、明日も早いし そろそろ寝よかぁ」
誰かが言った。
まさにその時「ムクッ!っ」と、オヤジは起き
「俺 まだBz歌ってへんやん!」
だって。
とてもとても迷惑極まりないオヤジだが、三曲唸り上げるのを皆、やんややんやで付き合った。
そのオヤジ 普段からけっこう愛されているらしい。
いいね。
オヤジBの飲み物は?
旅行には缶ビールだったけど、私の店では「ボウモア ダブルでロック」
なかなかお酒の味にはうるさい方だ。
ボウモアはアイラ島のシングルンモルト。
潮の香りとピート(泥炭)の香りのバランスが絶妙!
アイラの女王の愛称。
アイラ島は淡路島くらいの大きさで人口約四千人程
「この煙臭がいいんや!」
まあまあのインプレッションの
オヤジBは なかなかの紳士。
つづく…
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