BOOK

2016 / 08 / 26  22:28

オヤジ達よバーへ行こう3

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オヤジBの場合 Bz(ビーズ)のファンだぁ?

 

 サザンオールスターズのファンだと以前聞いたことがあった五十歳になったそのオヤジは 「愛すべき酔っ払いオヤジ」の象徴的中心人物である。

彼の会社は毎年 昭和の響きが残る「社員バス旅行」たるものが今もなお年に一度あるそうな。

 

 ある年のこと バス発車前から缶ビールを「プシュッ!」

すでに飲りはじめたそのオヤジ。本来、社員旅行のメインイベントは夜の宴会。

旨い酒、肴を前にして

「御苦労さん!がんばりましょう!カンパーイ!」

のイメージが強い

 

 話下手な上司の 「はなはだ簡単」 ではない話があったとしても一番盛り上がる場面である。 

が、そのオヤジ発車前から目的地に着くまでだけでは物足らず、ひと時も缶ビールを絶やさなかったそうな。

で、宴会開始時には すでに「粗大ゴミ」状態だったらしい。

宴会終了まで起きなかったんだって。

その後、両脇を若手に抱えられバレリーナのような姿で二次会場へ・・?二次会場?部屋じゃないのかよ?

普通なら自分の部屋に連れて行かれて ハイ サイナラ ちがう?

 

同僚、若手は彼が無類の歌好きなのを熟知していたのだそうだ。

「音楽鳴ったら起きる頃やし」と、誰もが思っていたのだろう。

が、しかし その予想は見事に外れ、オヤジは二次会場でも「粗大ゴミ化」していた。

 

カラオケ二次会宴もたけなわ 

「さあ、明日も早いし そろそろ寝よかぁ」

誰かが言った。

まさにその時「ムクッ!っ」と、オヤジは起き

 

 「俺 まだBz歌ってへんやん!」 

だって。 

 

とてもとても迷惑極まりないオヤジだが、三曲唸り上げるのを皆、やんややんやで付き合った。

そのオヤジ 普段からけっこう愛されているらしい。

いいね。

 

 

オヤジBの飲み物は?

旅行には缶ビールだったけど、私の店では「ボウモア ダブルでロック」 

なかなかお酒の味にはうるさい方だ。

ボウモアはアイラ島のシングルンモルト。 

潮の香りとピート(泥炭)の香りのバランスが絶妙! 

アイラの女王の愛称。

アイラ島は淡路島くらいの大きさで人口約四千人程

「この煙臭がいいんや!」

まあまあのインプレッションの

オヤジBは なかなかの紳士。

 

つづく…

 

 

BACK NUMBER

:オヤジ達よバーへ行こう1

:オヤジ達よバーへ行こう2

 

 

 

2016 / 08 / 19  17:30

オヤジ達よバーへ行こう2

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オヤジAの場合 ちょっと参考になるかも

 

 今から十年は前頃だろうか ビールしか注文しない五十才代と思われるオヤジが三人の女性と 四人でテーブルについた。

「マスター ワインある?」 

「! ???」

「何でもええわ 赤 グラスで四つ」

カベルネソーヴィニヨンとメルローの合わせ技のワインを注ごうとしていた矢先に そのオヤジの声が聞こえてきた

「ええかぁ シャブリは白のほうが旨いんやで!」

お連れの女性たち

「へええェェェーーー」

 

ご存じのとおり シャブリは白の畑である。  

いかにワインブームとはいえ、どこでそんな知識がそのオヤジに入り込んだかは不明である そんでもって 周りも 

「へえェー」って

ま、ええかって思い、素で仕事に気を戻す私。

そこへまた オヤジの声が

「俺なあ イタリア語喋れんねんで ええかぁ よお聞とけよ・・パ ス タ・・・」

 少しプッとなる私。

お堅い知識とか社会的何やらとかを超越したところに、このオヤジの魅力と女性を楽しませる底力がそこにはあった。

 

ボキャブラリー  

オヤジ達には欠かせないもの  

磨こう。

 

 

 

オヤジAの飲み物は?

カベルネ・ソーヴィニョンとメルローの合わせ技の赤ワインは、世界中にたくさんあり、その比率とかで全く別物の雰囲気が味わえる。

注目点は同じブドウ品種でも「その国のカベルネ」と、いうように日照時間や降水量にも左右される。 

試そう オヤジ 紳士的に。

 

 

つづく…

 

 

BACK NUMBER

:オヤジ達よバーへ行こう1

2016 / 08 / 13  15:58

オヤジ達よバーへ行こう1

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この文章はフィクションのような

実話であり 個人情報保護を

されないこともあります

店内で そそう があると

題材になるのはやむおえません

 

 

 オヤジ達よバーへ行こう

 

 若い人たちを、ゆとり世代だの、何を考えているかわからんだの、

飲まない男が増えているだの・・・

では熟年のオヤジ達よ

若手をバーに連れて行ったかぁ?

奢ってあげるのはせいぜい安い居酒屋ていどで、本物のバーへ連れて行ってあげたオヤジ達はどれくらいいるんだ?

 

 「俺はバーなんか知ったところないからなぁ」

とか

「バーって緊張して飲まなあかんやろ?」

とか

そんな事言ってないでしょうね?

心当たりがあるオヤジ達がいたら、今の若者たちの せい ばかりには出来ないですよ。

「俺は行きつけのバーあるで」

と豪語されているオヤジ諸氏も、まさか居酒屋のように、大声で我が物顔で騒ぎ、あげくのはてには大音量の携帯電話が鳴ったりするのではないだろうな まさか。

 

 もう何年も前のことになるが、"学生よバーへ行こう"というバーの紹介本を、三宮の駅下の本屋で見かけたことがある。

神戸大学生が学生のために、バーでのマナーに充分な配慮を示した内容でたくさんのバーを紹介している。

制作者のひとりに話を聞いたことがあるが 

「お前らの来るところやないっ!」

とかで 追い返されたこともあったという。

どこの店や? そんなアホ店主の店は 

「あんたら大人もな、初めはお酒に素人やったはずや。なのにちょっとお酒の事わかってるくらいで 偉そうに振る舞い、あげくに学生たちの話も聞かん? アホか!」

 

「マナーなんか 行った所の店の人が教えたらええやんか」

とか言っているオヤジはおそらくマナーとは無縁で 自分さえよければ  それでよい そんな人種。

 

確かに、バーとパブはなかなか区別がつかないこともありうる。

何故かというと、元々パブリックハウス パブがバーの原点だということが

ほぼ間違いないからである 

 

 しかし今日この時代 多種多様化してしまい、様々な店が生まれ

バーと認識されるには「オーセンティックな」と 書き表されることもしばしば。

では「オーセンティック」とは なんぞや?

直訳では、「本物の」とか「確実な」だが、前述のように多様化の今では「オーセンティックだけがバーじゃねえよ!」と、

多くの店主からブーイングを受けるであろう。

つまり、書物やチラシ、インターネットで謳われる事柄、呼び方より感性の問題である

 

初めて入ったバーが、静かなジャズがゆっくり流れていたら、さっきまで大声で話していた「居酒屋のトーン」を下げるべきで、緩やかに語るべきだろう。

嫌なら出ればよいだけのことである。

 

 マナーは言い換えれば「当たり前のこと」なのに、厄介なのは、人それぞれ 「当たり前」が異なる。

だからバーはバーのルールを適用する。

おおげさに言うと、バーのカウンターでは、前を向いて飲み前を向いて話すらしい。

が 私はここまでは思わない。

もちろん、後から入ってきた見知らぬ人に、いきなり話しかけて、話ずくめというのは野暮なことである。

ファーストドリンクも届き、落ち着いたところで お店の人を挟んで、緩やかに知り合いになっていくのもバーのいいところなので。

 

 不思議なものだ。

一人になりたくてバーに来たのに 

一人同志が仲間になっていく。

 

 忘れてはいけない。

共通の友人や趣味があったとしても、大盛り上がりは禁物。

紳士的にね。バーなんだから。

 

 

 

 

 

 

 おばさん達は「女子会」とかで方々様々に出向き、ランチにて店を発掘する本能に猛っている。

気に入った店があると「ここの店、夜は何時からですかぁ?」

そして本来オヤジの領域であった「夜」 にも、ガンガン進出する。

たくましく、大人数で  ・・会で。

そしてオヤジ達は静かでよい雰囲気だった店をどんどん、蝕まれ、場末やチェーン店の居酒屋へ追いやられる。

浴びるように飲むしかない。おばはんの文句を言う。騒ぐ。

スッキリする。

紳士度のかけらもなくなる。

 

 すこしオヤジにフォローをいれておくが

バーが嫌いなオヤジ達の気持も少しは判るところもある、実は私もバーをやっているが

【チャージ】とは何ぞや?

 個室などを持ち合わせていて、室料などの名目ならまだ分からなくもない。チャージの意味がいまひとつ判らない。

なのでチャージはいただいたことがない。

ひと昔前に若いバーテンダーに質問したことがある。

「チャージって何?」

バーテンダーは

「お客さんが椅子などを占領してるからじゃないですかぁ?」

 いやいや、椅子はお客様のために用意してるのが当たり前ちゃうかぁ?

また別の店では

「付き出しだしてるんで、それでしょうね」

見れば、ナッツとかチョコレートが小さな入れ物に入ってあっちにもこっちにも出ている。

では今日用意した「付き出し」は、様々なカクテルをはじめ、すべてのお酒に合うんやなあ?

アホらしい答えに溜息が出る。

 

要はオヤジ達は予想外のお会計伝票を見ると

「なんじゃこれっ!?」と、まず思う。

少し酒がさめる。

280円均一に戻る。財布気にしないで飲める。

このパターンはきっとあると思うので、オヤジの気持が分らんでもない。

日本のデフレが続くことにもなる。

 

バーの素敵な雰囲気と技術力で、その上でちゃんとした分かりやすい対価にてお客様と接するべきである。

 

 

つづく…

 

 

 

 

2016 / 08 / 13  15:24

あるBARのエッセイ-自分の居所を持っていますか?-

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「酔えばそれでよい」本当にそうでしょうか?

体にも心にも……騒ぐだけの事は誰でも出来ること。

大人の世界はなくなりましたか?

こんなご時世だからこそ、じっくりと腰を据えて……。

人生たかが八十年。

スコッチの歴史はなんと八百年以上。

時の重みを感じつつ、人の弱さを癒やしてくれる、

そんな数々のお酒にどうぞ出会って下さい。。

by bar Haccho マスター 河村俊宏

 

191ページ

¥1,300+TAX

文芸社

2004年11月 発売

全国の書店にて販売中。

 

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