BOOK
オヤジ達よバーへ行こう8
オヤジGの場合 意味分かるようで分からん
プルル・・・
「久し振りー」
「あ、どうもお久しぶりです」
「マスターとこ行く途中なんだけどさぁ 道迷っちゃったんだよ。今、東急ハンズの前なんだけど・・」
毎回迷子になる。
もう、古い付き合いだというのに。
神戸には年に十回くらいしか来ないし、まあ仕方ないか。
でも、こんな簡単な大通り沿いの場所。忘れすぎ、毎回。
世界に店舗を持つ生活雑貨屋の社長。
そのオヤジは、いつもスタッフや若手を連れて来店。
スコッチの特上物の前にダンディーな姿で座る。
御歳 五十九か六十とお聞きしている。
その彼に同席の若者が必ず質問する一説がある。
「社長の若さの秘訣は何なんですかぁ?」と。
同席の若者が、男だろうが女だろうが 社長の答えはいつも同じ
「秘訣ねえ・・うーん そうだねー 週一回のセックスと、週一回のマスターベーションかな・・。ほら、これが今の僕のオナペット」
社長のスマホに入っている写真を見せてもらった。
そのときに 初めて「壇蜜」とやらを知ることになる。
「人間の三大欲は 食欲、性欲、睡眠欲だろ?なくなったら終わりだよ・・」
だって。
彼はサーフィン、トライアスロン等など・・ 多趣味で「ソロモン流」とかいうテレビ番組でも取り上げられた。
ホノルルマラソン走ったり。
彼とは以前、パンストのセンターがずれてたら腹たつという話で友達としての距離が近づいた。
最近「パンツとパンストのあいだが開いている股間はとても嫌だね」と。
彼の突然の意見は、意味わからんようで、なんとなく分かる。
オヤジGの飲み物は?
彼の好物 特上のウィスキー 「グレン・ドロナック1993
オロロソシェリー バット」 ウィスキーライブ出品作品
このウィスキーも ひとくちでは 語りきれない。
つづく
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オヤジ達よバーへ行こう7
オヤジFの場合 大御所で居てください
そのオヤジは、スコッチウィスキーの蒸留所スタッフ三人と一緒に 来店された。
スタッフ三人、もちろんスコットランド人。あとオヤジの会社の若手三人とオヤジ。計七人。
以前にその「トマーチン蒸留所」のプラントを受けたという話を聞いたことを思い出した。
「何かご説明いたしましょうか?」
「いやいや うちの若い者がやるから いいよ」
「あ、はい」
オヤジは満面の笑顔。
その先の光景といえば、オヤジを真ん中に据えて、周りをSPが固めているように、その若者たちの英語の流暢なこと・・ほんま・・もう・・ベラベラ。
俺の「オールウェイズ・トーキング・アメージングイングリッシュ」
だったら 大恥 間違いなしやったわ・・・
しかもオヤジまで ベラベラ
「凄いな このオヤジ タダ者ではないな・・ 」
数年後 オヤジは 定年を迎えた。
でも会社は離してくれないそうな。
「いやあ、もう頑張ったからね。きっぱり辞めたいんだけどね」
体もしんどいからと言う顔は笑顔また笑顔。
「けっこう今を楽しんでるやんか オヤジ」
今では年に数回しか神戸にいらっしゃらないオヤジ。
友人達とのワイン会に顔を出し、試飲会などの宴の後には必ず顔を出してくれる。
「オヤジ もう知らないお酒なんてないでしょ?」
「何言ってるんだよマスター。世界には三十万種類のワインがあるらしいよ。一日一本 十年、二十年・・たかだかしれてるよ」
まあ、計算としては 分かる気もしますが・・一日一本って・・
私は、オヤジにコニャックのシングルモルトと称される「ポール・ジロー」を教えてあげた。
「旨いねぇこれ!」
三十五年ものの「ト・レラール」である。
お高い値段に属するのに、後から聞いた話ではオヤジ、箱買いしたらしい・・・・また・・
「演歌の大御所みたいに、大人買いして」
何やってもダイナミックで楽しそうやな オヤジ。
オヤジFの飲み物は?
大御所の飲み物は 文中で出てきているものが主でワインはさまざまなんで。
一度持って来てくださったイタリアトスカーナ地方の赤「ルーチェ」
何も言うことはない旨かった。
つづく
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